【BtoB向け】メールマーケティングとは?〜メルマガ・シナリオメール・ステップメールの違い〜
「メールマーケティング」には、従来から存在する「メールマガジン」に加えて、「シナリオメール」「ステップメール」といったユーザーの個別ニーズに対応するための方法があります。
本記事では、MAツールの普及もあり、高度化が進むBtoBデジタルマーケティングの「メールマーケティング」の基礎について説明します。
メールマーケティングとは?
BtoBデジタルマーケティングにおけるメールマーケティングとは、企業が保有する見込み顧客・既存顧客のリストに対してメールによるコミュニケーションを図り、サービスの新規購入や継続購入を促す施策です。SNSやチャットツールの普及により、私たちのプライベートではメールの利用頻度は下がっていますが、BtoBではメールアドレスを持たない企業はほぼ存在せず、特に社外との連絡は依然としてメールを通したコミュニケーションが中心です。
従来のメールは「1対1」が基本のコミュニケーションツールでしたが、同一の内容を複数のユーザーに配信する「メールマガジン」が登場したことで「1対複数」の構図が成り立ちました。さらに、「ユーザー行動に合わせたメールコミュニケーション」を実現するために、マーケティングオートメーションを実現するMAツール(Marketing Automation)を利用したシナリオメールといった、様々な種類のメールマーケティングが活用されています。
BtoBデジタルマーケティングにおいてメールマーケティングは、獲得したリードを見込み顧客へと引き上げていく「リードナーチャリング」のフェーズで多用される施策です。
⇒【施策20選】BtoBデジタルマーケティングとは?基本となる6つのステップ
メールマーケティングの種類
BtoBデジタルマーケティングでよく使われるメールマーケティングには、主に3つの種類があります。
- メールマガジン
- シナリオメール
- ステップメール
それぞれの特徴を紹介します。
メールマガジン
メールマガジンは、従来からあるメールマーケティング手法です。一斉メールにより1つの企業が、複数のユーザーに情報を配信することができます。全リストが対象になるため、企業からのニュース情報や幅広いお役立ち情報といったコンテンツと相性が良い手法です。
定期的なメール配信を行い、メール内のコンテンツへの反応に応じてMAツールでシナリオを展開するなど、BtoBデジタルマーケティングでのメールマーケティングでベースとなる施策です。
シナリオメール
シナリオメールは、特定の条件に合致するユーザーのみ限定してメールを配信する、動的なメールマーケティングです。ユーザーの関心や行動履歴に合わせてシナリオとトリガー(条件)を設計し、そのトリガーの発動によってコンテンツをユーザーに配信します。
「シナリオメール」はユーザー行動のタイミングを逃さずにアプローチできる点が優れており、「このタイミングで届けたい情報」を企業からユーザーに発信できます。問い合わせを待つといった受け身ではなく、こちらからアクションを起こす能動的なコミュニケーションを行うためのメールマーケティングといえます。
シナリオメールの展開にはシナリオ設計が必要となるため、MAツールやメール配信システムなどのマーケティングツールが必要です。例えば「1週間の間に料金ページを3回以上閲覧しているユーザー」に向けて、MAツールから「無料トライアルのご案内」といったメールを配信し、商談化のきっかけを作ることが出来ます。
⇒【主要機能10選】マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは?BtoBにおける検討ポイント
ステップメール
ステップメールは、特定の条件で獲得したリードに対して段階的にメールを配信するメールマーケティングです。ユーザーが次に必要とするであろう情報を提供することで、興味関心を引き上げていくことが目的です。
例えば「MAツールの特徴紹介」の資料ダウンロードを行ったユーザーに対して、3日後に「MAツールの活用事例集」を配信し、その3日後に「MAツールの比較表」を配信するといった形で関連情報を配信していきます。そうした活動を通して、自社サービスへの関心を徐々に高めていくことが目的です。
「ステップメール」は配信開始から終了までのタイニングが決まっており、「シナリオメール」と比較すると静的なメールマーケティングと言えます。また応用として、ステップメール上でのユーザー行動をトリガーとして、シナリオメールを展開することも可能です。
メールマーケティングの手順
メールマーケティングを実施する際の基本的な手順は、以下のとおりです。
- メールマーケティングの目的設定
- メールマーケティングで利用するツールの選定
- メールマーケティングの運用体制の検討
- 配信対象リストの整備
- メールコンテンツの作成
- メール配信
- 効果検証と改善
それぞれのポイントについて紹介します。
メールマーケティングの目的設定
「見込み具合の高いユーザーへのアプローチによる新規商談獲得」を目指した「シナリオメール」など、メールマーケティングによって何を実現したいのか、どの種類のメールマーケティングを行うのか、それによってどのような効果を得ることを目標とするのかを設定します。
メールマーケティングで利用するツールの選定
「シナリオメール」などの高度なメールマーケティングを行うためには、ユーザーの行動分析が可能なMAツールが必要です。一方で定期的なメールマガジンだけで行うのあれば、それに特化した簡素化されたメール配信ツールが適しています。
メールマーケティングの運用体制の検討
メールマーケティングはメール配信業務を継続的に行うための体制が必要です。特にMAツールを導入する場合は、十分に検討が必要です。MAツールの運用には、施策を設計・実行するための人的リソースや専門知識が求められるからです。自社メンバーだけでの対応が難しい場合は、外部のMA運用ベンダーへのアウトソースも検討してください。
配信対象リストの整備
自社が保有するリストを整備し、MAツールやメール配信システムにユーザー情報を登録します。過去に開催したセミナーや広告、資料ダウンロードなどで獲得したリードがバラバラに管理されている場合は、このタイミングで一元管理ができる仕組みが構築できると、今後のマーケティング活動が実行しやすくなります。
メールコンテンツの作成
配信するメール文面を作成します。メールの形式には「テキスト形式」「HTML形式」の2種類がありますが、画像を使わない内容だとしてもHTML形式で作成することがおすすめです。MAツールやメール配信システム上でメールの開封率やクリック率の測定を行いやすくするためです。
メール配信
実際にメールを配信します。メールマガジンの場合は「配信日時」、シナリオメールの場合は「メール送信となる行動トリガー」、ステップメールの場合は「コンテンツに紐づく送信スケジュール」を設定します。
効果検証と改善
メール配信によって、設定した目的や目標がどの程度達成されたのかを検証します。また、メールの到達率や開封率、メール内リンクのクリック率、配信拒否率のデータを確認し、次回配信やシナリオ改善の材料として活用します。
まとめ
メールマーケティングは、メールマガジンのような「1対複数」を中心として、シナリオメールやステップメールを活用した「1対1」のコミュニケーションを図るマーケティング活動です。近年では、より高度なオンラインコミュニケーションを実現するために、MAツールの導入・活用に取り組むBtoB企業も増えています。
バディマーケティングでは、効果的なメールマーケティングの実現を体制構築からご支援するために、MAツールの導入・運用サービスを提供しています。リードナーチャリングでMAツールの活用したいが運用体制に課題がある方は、是非お気軽にご相談ください。