「サイトへの流入は増えているのに、コンバージョン(問い合わせ・購入)率が伸びない……」そんな課題を抱えていませんか?成果を生み出すWebサイトへ成長させるには、ユーザー行動を“可視化”し、データを基にWebサイトの改善をしていくことが不可欠です。
そこで注目したいのが、Zohoが提供する統合型Web最適化ツール「Zoho PageSense」。トラッキングから分析、施策のテスト・実装までをワンストップで行え、Webサイト改善のPDCAサイクルを高速化します。
本記事では、PageSenseの主要機能と実践的な使い方を、活用例を交えながらわかりやすく解説します。

Zoho PageSenseとは?

Webサイト訪問者の行動を可視化し、分析・改善につなげるための統合型Webサイト分析ツールです。「どこから来て」「どのように行動し」「どこで離脱したか」といった訪問者の動きを把握し、改善施策をスムーズに進めることができます。
Googleアナリティクスのアクセス解析、Microsoft Clarityのヒートマップ機能といった、各ツールがもつ機能をZoho PageSenseひとつで行える点が最大の特徴です。
Zoho PageSenseの主な機能は、以下の4つに分類されます。
追跡:Webサイトへのアクセス経路(検索・広告・SNS等)や、訪問者のページの閲覧・遷移を把握できます。
分析:ヒートマップやセッション記録で、ユーザーのクリック傾向や離脱ポイントを視覚的に確認できます。
最適化:A/Bテストでボタンや文字の効果を比べ、成果につながるデザインの検証や使いやすさを改善できます。
エンゲージメント:ポップアップなどのパーソナライズ機能で、効果的に情報を届け離脱を防ぎます。
さらに詳しい各機能の内容については、以下の記事でご紹介していきます。
Zoho PageSenseの4つの主な機能
1.追跡
記録されたユーザー行動データは、PageSenseのダッシュボード上でわかりやすく可視化・分析されます。
Webサイト訪問者の流入経路やページ別の滞在時間や離脱率など、注目すべき指標をグラフ形式で把握できます。多角的な視点からサイトのパフォーマンスを評価することが可能です。
<各項目の定義>
項目 | 定義 |
---|---|
チャネル | ユーザーがWebサイトに到達した経路 (Direct(直接)/Organic Search(検索)/Referral(他サイトからのリンク)など) |
セッション | ウェブサイトへの訪問回数。1人のユーザーが30分以内に複数ページを閲覧しても1セッションとカウント。(30分以上経過すると同一者でもセッションは2) |
訪問者 | サイトに訪れたユニークユーザーの数。クッキーやIPで識別される。 |
新しい訪問者 | 初めて訪問したユーザーの数。 |
直帰率 | 最初のページだけ見て離脱したセッションの割合。 |
セッションあたりの ページ数 | 1回のセッション中にユーザーが閲覧したページの平均数。 Webサイトの回遊性やコンテンツの興味喚起度を測る指標となる。 |
平均セッション時間 | 1セッションあたりの平均滞在時間 |
「メインの軸」ではチャネル・訪問経路・媒体・デバイス・OS・otherと分析軸を変えることが可能です。分析軸を変えることで様々な視点の結果を見ることができます。
・活用例 ①
メインの軸:デバイス
〈考察〉
分析軸をデバイス別に設定してみた場合、多くのユーザーがデスクトップ端末からWebサイトを閲覧していることがデータから確認されます。
〈打ち手〉
Google検索における評価基準としてモバイルファーストインデックスであることから、モバイル環境での最適化もある程度必要であるが、モバイルを意識しすぎて、デスクトップで見づらい仕様にならないよう、デスクトップでの視認性や操作性を重視したサイト設計にする。

・活用例 ②
メインの軸:ランディングページ
〈考察〉
URL(sample.co.jp)のホーム画面は、 直帰率が低く、よくユーザーに閲覧されていることが確認できる。
一方で、URL(sample.co.jp/marketing-blog)では直帰率が高い傾向が見られる。
〈打ち手〉
URL(sample.co.jp/marketing-blog)はブログ記事ページのため、 記事を読み終えるタイミングで、「こちらの記事もおすすめ」といったポップアップを表示させ、 関連コンテンツへの導線を設けることで、ページ離脱の防止を図る。

2.分析
訪問者がWebサイト上でどのように行動したかのデータを自動で収集します。データはヒートマップ等を用いて視覚的にわかりやすく表示され、専門的な知識がなくても、訪問者の関心や離脱ポイントが直感的にわかるため、サイトの強みや弱みを見つけることができます。
ヒートマップ
ヒートマップではランディングページのどの見出しが読まれているか、バナー位置を変えた際の効果など、数値だけでは見えない“感覚的気付き”が得られます。
〈各マップの違い〉
ヒートマップ | スクロールマップ | インタレストマップ | |
---|---|---|---|
行動定義 | アクション(クリック・タップ) | 閲覧深度(どこまでスクロールして見られたか) | 注視・注目(マウスの動き・滞在) |
表示内容 | クリックが多い場所は赤、少ない場所は青などのグラデーションで表示 | スクロール到達率が高いほど暖色、 低いほど寒色で表示 | 滞在時間やマウス移動の集中度に応じてエリアが着色される |
主な用途 | ・クリック率の高い要素の把握 ・CTAやリンクボタンの効果検証 ・ユーザーの意図に合うUI設計 | ・コンテンツの視認性の分析 ・重要情報の適切な配置判断 ・ページの長さ・構成最適化 | ・関心が高いコンテンツ領域の特定 ・視線誘導の改善 ・UIやコピーライティングの評価 |
活用例 | ・メニューのクリックが集中しているかを確認 ・クリックされていないボタンやリンクの位置を改善 | ・重要情報がスクロールされずに見られていない場合、上部に再配置 ・ページ途中で離脱が多い箇所の構造を見直す | ユーザーがどこに注意を向けているかを把握し、注目されていない領域の内容やデザインを見直す |
ヒートマップを用いることでWebサイト上でのユーザーの行動(クリック、スクロール、注目領域)を視覚的に把握することが可能です。ユーザーにとって見やすく、使いやすくなるようにページの配置や導線を行動データに基づいて調整することで、成果につながるページ設計を実現します。
〈ヒートマップ例〉

セッションレコーディング
Webサイト上でユーザーが実際にどのように動いたか(スクロール・クリック・入力など)を動画や操作ログとして記録・再生できる機能です。ユーザーの迷いや離脱の原因箇所を、映像で直感的に把握できます。また、コンバージョンした人や見込みの高い動きをした人の行動を分析し、改善ヒントを得ることも可能です。
・活用例
滞在時間が5分のページがあった場合:
「その5分間、ユーザーが実際に何を見て、どこで迷い、どう行動したのか?」を映像で確認できる
〈ポイント〉
全セッションを見るのは高負荷のため、見るべきは「コンバージョンしたセッション」や「ターゲットに近い動きをした人」に絞って確認する。
3. 最適化
ユーザー体験を高めるために欠かせないのが「最適化」です。Zoho PageSenseでは、A/Bテストをはじめとした手法で、ボタンや文言などの効果を客観的に検証可能。感覚に頼らず、データに基づいて成果につながるデザインや使い心地を導き出せます。

A/B テスト
Webページの複数バージョン(例:AパターンとBパターン)を比較し、どちらがより高い成果を出せるかを検証する手法です。Zoho PageSenseでは、コーディング不要で直感的にテストを作成・実行できるため、マーケターやデザイナーがスピーディに改善を進められます。
・特徴
ノーコードで簡単にテストパターンを作成
ドラッグ&ドロップ操作で簡単に要素の変更が可能。HTMLやJavaScriptの知識がなくても、 すぐにA/Bテストを開始できます。
複数指標で効果を検証
コンバージョン率(CVR)だけでなく、滞在時間、直帰率、クリック率などの指標で多角的に分析できます。
・活用例
見出しテキストの変更
ユーザーの注目度を変えることで、リンクのクリック率やフォーム入力率に与える影響を検証。
ボタンや選択肢のサイズ調整
ビジュアルの変更が、ユーザーの行動(クリック・選択)にどのような影響を与えるかを分析。
〈ポイント〉
・目的の明確化
目的を明確にすることで、適切な仮説設定と指標設計が可能になります。(例:選択率の改善/フォーム入力完了率の向上/UIの最適化)
・結果をリアルタイムで確認&即反映
Zoho PageSenseでは、テスト結果をリアルタイムでモニタリングできるため、CVに直結する勝ちパターンをすぐに本番環境へ反映可能です。
4. エンゲージメント

Zoho PageSenseでは、ユーザーごとの行動データに基づいてパーソナライズされた体験を提供したり、適切なタイミングでポップアップを表示したりすることで、サイトのコンバージョン率を大きく向上させることができます。
パーソナライズ & ポップアップ
訪問者ごとに最適化された体験を届けられる「パーソナライズ」と、関心が高まった瞬間に行動を促せる「ポップアップ」。Zoho PageSenseなら、直感的な操作でこれらを実装でき、エンゲージメント向上やコンバージョン促進をスムージに運用できます。
パーソナライズ
・訪問者の属性や行動履歴に応じたコンテンツを出し分ける
例:再訪問ユーザーに対して、Webページの見出しを
「ようこそ Buddy Marketingへ」から「おかえりなさい」に変更。
→継続的な関係性を感じさせる表現が、エンゲージメントやコンバージョン率の向上につながります。
ポップアップ
・行動に応じたタイミングでのメッセージ表示
例:事例紹介ページを一定時間以上閲覧しているユーザーに対して、「製品詳細についてはカタログをご覧ください」といったポップアップを表示し、資料請求ページへと誘導。
→関心が高まったタイミングでアクションを促すことで、離脱防止やコンバージョン促進に効果的。
〈ポイント〉
・表示範囲で使い分ける
パーソナライズ → Webページ全体を変化させたいとき
ページタイトル、見出し、CTA文言など、ユーザーの状態に応じた表示を動的に切替えたいケースに最適。
ポップアップ → 画面の一部に表示を出したいとき
ユーザーの行動や滞在時間に応じて、補助的に情報を届けたい場合に効果的。
・セグメント設計で配信精度アップ
ターゲット別(例:新規訪問者/再訪問者/特定ページ閲覧者)に条件を設定してメッセージを最適化。
・A/Bテストとの併用で改善を加速
パーソナライズやポップアップの効果を検証するために、ABテストと組み合わせることで、成果に直結する最適な表現・タイミングを見極められます。
まとめ
Zoho PageSenseは、アクセス解析・ヒートマップ・A/Bテスト・パーソナライズといった機能を一つにまとめたWeb最適化ツールです。行動データの可視化から改善施策のテスト・実装までをワンストップでできるため、サイト改善のPDCAをスピーディに回せます。
「流入はあるのにコンバージョン率が伸びない」「データに基づく改善をひとつのプラットフォームで完結したい」そんな悩みを抱える方にこそ、Zoho PageSenseは最適な選択肢です。ぜひ一度、PageSenseの直感的な操作性と効果を体感してみてはいかがでしょうか。
バディマーケティング株式会社では、Zoho PageSenseを含む、Zoho各種アプリケーションやCRMツールを活用したデジタルマーケティングのコンサルティングや施策支援を行っております。顧客情報を活用したマーケティング検討の課題やお悩みがございましたら、お気軽に当社までご相談ください。