【10つの基本機能】CRMとは?〜顧客管理の重要性とデジタルマーケティングでの活用〜

【10つの基本機能】CRMとは?〜顧客管理の重要性とデジタルマーケティングでの活用〜

本ページでは、CRMの基礎知識とデジタルマーケティングでの活用例、CRMが提供する10つの基本機能CRMについて解説します。

目次

CRM(Customer Relationship Management)/CRMツールとは?

CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を略した用語で、「顧客関係管理」を行う概念やツールです。

CRMでは既存顧客・見込み顧客とのやり取りを記録し、顧客に対して自社が取るべき行動を適切に管理・実行し、継続的なコミュニケーションによって良好な関係性を構築します。CRMを活用することで顧客の契約維持や新たな商談創出が可能になり、自社が得られる利益を最大化することを目的とします。

CRMツールは顧客管理の機能を提供するツールとなります。現在では多くのCRMツールが普及したことにより、「CRM=CRMツール」の意味合いで使われるケースが多くなっています。

CRMが必要な背景

マーケティング用語の「1:5の法則」の中では、既存顧客への販売コストと比較して、新規顧客の獲得には5倍のコストが発生すると言われています。

顧客との取引実績が無い新規商談では購買におけるハードルが高く、競合他社の存在を意識して利益を削って勝負するケースも珍しくありません。一方ですでに自社と関わりがある既存顧客は、既にサービス内容に対して一定の信頼が得られている状態であるため、より高い価値を提供できる高額帯の商材も提案がしやすくなり、新規商談よりも安定した利益が見込めます。

販売実績の中で既存顧客の割合を高めていくことは、企業の安定した事業継続につながります。そのためには顧客を知り、顧客との関係性を適切に管理していく必要がありますが、そこに貢献できるのがCRMです。

CRMツールが提供する10つの主要機能

CRMツールには3つの構成カテゴリがあり、顧客管理に関する機能を提供していきます。ここでは、CRMツールによって提供される代表的な10つの機能を紹介します。

カテゴリ目的CRMツールの機能
顧客情報顧客情報を蓄積コンタクト(個人)、取引先(会社)
顧客管理顧客とのやり取りを紐付けメール履歴、ドキュメント、商談、問い合わせ、タスク
ツールツール内の情報を連携フォーム、レポート、外部連携
CRMツールの3つのカテゴリと10つの基本機能

コンタクト管理

個人に関する情報を管理します。氏名や勤務先情報、連絡先情報といった基本的な署名情報に加えて、これまでのメール・電話の対応履歴、所属部署や勤務先の変更履歴といったものまでを記録することで、自社と「対個人」の関わりを一元的に管理します。

取引先管理

顧客の勤務先に関する情報を管理します。現状の契約状況やこれまでの販売実績を記録し、所属するコンタクトとのやり取りを紐付けることで、自社と「対会社」の関わりを可視化します。

メール履歴管理

顧客とのこれまでのメールのやりとりや開封状況を記録します。メールはCRMツール上で直接コンタクトに送信するか、メールアカウントとCRMツールを連携させて自動的に蓄積させていきます。

ドキュメント管理

見積書や請求書、提案資料といった各種ドキュメントファイルをCRMツール上をアップロードして管理します。コンタクトや取引先に対して、いつ・どのような内容でドキュメントを送付したのかをCRMツール上で効率的に確認することができます。

商談管理

顧客との商談状況を管理します。メールや電話、打ち合わせといった対応履歴やドキュメント情報を紐付けて一元管理します。商談状況に応じたステージを定義することで、売上予測や見込み金額を出力することも可能です。

問い合わせ管理

顧客からの受けた「問い合わせ」単位で、対応履歴やステータスを管理します。現在の問い合わせ対応状況が可視化されることで対応漏れが無くなり、CRMツール上に集約された情報を参照・検索することで、新たな問い合わせ発生時に適切な対応がしやすくなります。

タスク管理

顧客に対して取るべくアクションをタスクとして割り当て、担当者に対して必要なタイミングで通知する機能です。担当者が取るべき行動を予め定義・設定しておくことで、適切かつ確実な顧客対応の実行を支援します。

フォーム管理

CRMツールで作成したフォームをWebサイトに埋め込み、入力情報をCRMツールに登録します。例えば、サイト上の資料請求フォームに入力された顧客情報をCRMツールに直接記録することや、セミナー申し込みフォームとして活用してセミナー参加者リストの作成や抽出を効率的に行うことが可能です。

レポート機能

CRMで保有している情報を分析したレポートを作成します。コンタクトの増加数や問い合わせ対応状況をわかりやすくグラフで可視化することや、商談管理機能から今月の販売実績や売上予測を算出することが可能です。

外部連携

CRMの情報と外部のツールを連携させます。例えば、メーラーと連携させてメール送受信結果を自動的にCRMツールに記録することや、マーケティングツールで得た顧客の行動分析情報を取り込むことで、より精度の高い顧客管理が実現できます。

CRMを活用したデジタルマーケティング

CRMで取り扱う顧客情報や分析結果は、既存顧客に対して対して効果的なデジタルマーケティングを行う上で非常に重要になります。

例えば、「過去に商材Aを購入した」既存顧客に対して、「商材Aと連携できる商材B」の価値を訴求するコンテンツを「コンテンツマーケティング」の中で展開し、有望顧客の絞り込みやメール配信といったマーケティング業務を「マーケティングオートメーション(MA)」で自動化していくといったマーケティング活動が考えられます。

また、過去失注した顧客とのやり取りがCRMに記録されていれば、それを「1度は自社に関心を持ってくれた有望な見込み顧客候補」と捉え、特別なキャンペーンなどのマーケティング施策を検討することもできます。

CRMで得られる情報をマーケティングに活用することで、以下のようなメリットを享受することが可能になります。

  • 既存顧客に対して、より上位の価値を提供できる商材の販売 (アップセル)
  • 既存顧客に対して、自社が提供できる関連製品の追加販売 (クロスセル)
  • 既存顧客に対して、アフターサポートを計画的に提供して満足度を高め、サービス解約率を低下
  • 過去競合負けした見込み顧客に対して、サービス更新のタイミングに合わせた再アプローチを図る

【施策20選】BtoBデジタルマーケティングとは?基本となる6つのステップ

CRMとMA・SFAとの違い

CRMは顧客を中心としたデータ管理を行い、既存顧客を中心にこれまでの関係性を蓄積して活用することを目的としています。

MA(マーケティングオートメーション)はマーケティングを中心としたデータ管理を行い、確度の高い見込み顧客(リード)を増やすためのマーケティング活動の一部を自動化・効率化することを目的としたツールです。その一つの機能として、顧客の行動履歴を分析・記録する機能も備えています。MAでは顧客個人ではなく、行動履歴や属性を軸にリードを取り扱います。

SFAは営業支援ツールで商談を中心としたデータ管理を行い、成約率を高めるために必要な営業活動を自動化・効率化することを目的としたツールです。属人化しがちな営業スキルを分析・共有することで、組織の営業力強化にも貢献します。SFAはCRMと重なる領域の機能を多く備えており、SFAとCRMを統合した管理ツールも増えています。

【主要機能10選】マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは?BtoBにおける検討ポイント

【基本機能5選】SFAとは?〜3つのメリットとMA・CRMとの違い〜

まとめ

顧客情報をデータとして記録・分析するCRMの基礎知識と、主な機能についてご紹介しました。

CRMツールは外部ツールとの連携することで、デジタルマーケティングの行動履歴も自動的に取り込んで蓄積できます。マーケティング部門と営業部門が共通のデータベースとしてCRMを活用すれば、リード獲得から商談成約までのプロセスを可視化することができ、マーケティング活動において非常に重要な顧客理解や施策の効果測定にも役立ちます。

バディマーケティング株式会社では、CRMを活用したBtoBデジタルマーケティングのコンサルティングや施策支援を行っております。顧客情報を活用したマーケティング検討の課題やお悩みがございましたら、お気軽に当社までご相談ください。

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