効果1:要件定義から約1.5ヶ月での短期導入
効果2:共通+個別の2層ステージで現場と管理者が同居
効果3:「Zoho見てください!」で完結する情報共有基盤

活用したサービス
●顧客管理システム「Zoho CRM」
●Zoho製品 設定・構築サービス
●伴走型コンサルティング
中部電力株式会社 マルチユーティリティ本部
設立:1951年5月
業種:電力
URL:https://www.chuden.co.jp/

中部地域の電力事業を基盤とする総合エネルギー企業。マルチユーティリティ本部は、既存のエネルギー事業とのシナジーが見込まれる水道・森林資源・資源循環などのユーティリティ領域を中心に、社内外との連携・協業を通じて、地域と社会へ新たなサービスを機動的に展開し、エネルギーの枠を超えた地域課題の解決と持続可能な地域社会の実現に取り組んでいる。
※本事例の内容は、公開日(2026年7月)時点の情報です。
導入の背景
情報の横串を1.5ヶ月で通した、階層ステージ設計
マルチユーティリティ本部がミッションを果たすには、各ユニットに散在する顧客情報の一元化が不可欠だった。中部地域を中心に、約200の主要取引先にそれぞれ異なるサービスを提案するなか、各ユニットと顧客の接点を一つの画面に集約・可視化し、本部として一枚岩でサービスを提供するための共通基盤づくりが急務となっていた。
2025年夏より地域プロジェクト推進ユニットにて、CRMによる情報基盤の整備に着手。Zoho CRMの導入を決定し、バディマーケティングがプロジェクトマネジメントから要件定義、設計・構築、リリース後の運用定着までを一貫して伴走した。約1.5ヶ月で初期リリースまで到達し、共通ステージとユニット個別のサブステージを組み合わせた階層設計で、顧客情報基盤を構築した。
一元化の必要性と、立ちはだかった壁
部門間の問い合わせ対応に膨大なコミュニケーションコスト
名刺管理ツールは導入されていたが、複数のユニットがそれぞれ同じ取引先にアプローチする中でそれぞれの動向までは把握できず、状況確認のために複数部署への個別確認が日常化しており、かなりのコミュニケーションコストが発生していた。
コア業務と並行しながらの短期間でのCRM導入推進
2025年夏に組織改定があり、情報共有の仕組みづくりが急務となった。人員が限られるなか、コア業務と並行しながら複数部門の要件を短期間で整理し、構築まで持っていく必要があり、プロジェクトの実現可能性が懸念される状況だった。
各部門で異なる運用の中でのCRM定着リスク
各ユニットが独自のツールで顧客管理を行っており、共通のCRMが全員の日常に組み込まれるかが一番の心配だった。「自分たちのツールで管理しているのが一番楽」という現場の声も根強く、定着に向けた最大の論点として浮かび上がっていた。
「Zoho CRM × 伴走支援」がもたらした変化
中部電力×バディの二人三脚で走り切った約1.5ヶ月のリリース

目指す到達点を共有した上で、中部電力とバディマーケティングが一丸となって進行を組み立てた。日単位の期日管理と役割分担が徹底されたことで、欲張った要件に振り回されることなく、足並みを合わせて次のタスクに進み続けられた。
部門横断の問い合わせ対応を、CRMに集約

導入前には部門をまたいで個別確認を繰り返していた業務は、CRMを開けば完結するようにツールを設計。訪問前の準備時間は劇的に短縮され、確認・報告まで含めた業務サイクルそのものが変わりつつある。過去の提案履歴を自発的に遡ってCRMへ入れ直す部署も出ており、社内の情報基盤として根づいてきた手応えがある。
導入後も業務理解に基づくカスタマイズ支援で活用定着を推進

初期導入後、商談履歴サブフォームのUI改善や名刺管理ツールとの連携高度化など、現場の声に基づく追加調整を継続的に実施。導入完了で終わらせず、組織変更やユーザー増加に伴う設定変更など、定期的なメンテナンスまでカバーするサポート体制により、事業の拡張に合わせて基盤そのものをアップデートし続けられる仕組みが整った。
「Zoho CRM × バディマーケティング」の選定理由
40ユーザー×200主要取引先の規模にフィットするカスタマイズ性
既存のエネルギービジネスを主管する別部署では別の大規模CRMを利用していたが、希望する管理項目や対象が全く異なった。約200の主要取引先・約40ユーザーという規模では、既存CRMを改修して相乗りするより「まっさらな状態から自分たちが主導して作る」方がコスト・スピードの面から有利と考え、複数のCRMを比較し、プリセット機能の充実度とカスタマイズの容易さでZoho CRMを選定した。
「機能のジャングルの道案内役」的確なソリューション提案力
中部電力は当初ゾーホージャパンに相談しつつ、より細かい要件にも応えられるZohoパートナーと導入を進める方針を固めた。展示会で出会ったバディマーケティングは、提案内容の具体性と問い合わせへのレスポンスの速さで信頼を獲得し、「小回りが利いて相談しやすい」点が決め手となった。他ツールが絡む技術課題にも専門家として踏み込み、実務を支えるパートナーとして機能している。

お客様の声

誰に聞けばよいかを聞いて回る状態を終わらせたかった。「Zoho見てください」の一言で済む世界を、1.5ヶ月でつくった。
中部電力株式会社
マルチユーティリティ本部
地域プロジェクト推進ユニット ユニット長
安井 威人 氏
“自分たちが主導するCRM”の選択
当社では複数のユニットが、中部エリアの約200の取引先にそれぞれ異なるサービスを提案しています。この状況は、部門間に大きなコミュニケーションコストを生んでいました。
各ユニットがそれぞれの担当部署に個別にアプローチしており、誰がどこに行っているのかわからない状態でした。部門間の確認には複数の部署に個別に問い合わせる必要があり、やり取りの負担は膨大でした。
誰かに聞いて回らなくても、一カ所を見れば把握できる状態をつくりたい。そのために私たちが最初に握った方針が、「自分たちが主導してCRMを作る」ということでした。約200の取引先・約40ユーザーという規模感を踏まえると、社内の既存の大規模CRMに相乗りするのではなく、自分たちの組織に合わせて設計できるツールを選びたい。複数の候補を検討した結果、自社の業務に馴染ませていける製品としてZoho CRMを選定しました。
二人三脚体制で組み立てた、1.5ヶ月のリリースプラン
2025年10月14日に要件定義を開始し、11月28日にリリース、12月1日に運用を開始しました。要件定義の着手から運用開始まで、約1.5ヶ月という前例のない短納期で完走することができました。
これだけのスピードを出せたのは、ゴールのイメージが明確にあったからです。過大な目標は立てていませんが、「これだと困る」というラインもわかっていました。意思決定のスピードは、ここから生まれたのだと思います。進行管理はバディマーケティングさんが主導し、要件定義からリリースまでのスケジュールを日単位で設計しました。「○日までに当社が△△、その□日後までにバディが××」という粒度まで落とし込んで両社のタスクを分担し、互いに期日を守る運用を徹底しました。
一方で、短期間であっても要件定義は省きませんでした。テンプレートに当てはめて「とりあえず動く状態」をゴールにするのではなく、業務改善に本当に必要な機能を見極め、業務の終着点を握る要件定義にこそ最初の時間を投じる。これは、バディマーケティングさんが大切にされている考え方でもありました。私たち自身も、セッティングをお願いすると決めた時点で、最初にゴールをすり合わせる要件定義は絶対に必須だと考えていたため、両社の方針はここで一致しました。
全員のやりたいことを出し切ってもらった上で、最大公約数を取る。各ユニットの意図を聞き出して全員が納得するステージにまとめるのが、設計で一番時間をかけたところでした。
中部電力株式会社
マルチユーティリティ本部
地域プロジェクト推進ユニット
横地 うらら 氏

共通×個別の2層設計と現場発の定着
導入設計で最も苦労したのは、ステージ管理の共通化でした。各ユニットがどういう意図でステージを運用しているかをまず聞き出し、全員が納得できる形にまとめるプロセスに時間をかけました。バディマーケティングさんが論点整理の壁打ち役を担ってくださり、全ユニットの希望を出し切ったうえで最大公約数を取り、共通ステージ6つ(管理者視点)とサブステージ52個(現場視点)の2層構造に落とし込みました。

20の分岐条件で、全52個のサブステージをユニットごとに出し分け
情報公開のポリシーについては、当初は部門ごとにアクセス制限をかける想定でした。しかし「社内ならオープンでいい。問い合わせが減る方がメリットだ」という現場の声を受けて、部門ごとの制限を設けないシンプルな設計を採用しています。
導入後は、名刺管理ツールで取り込んだ連絡先情報を、取引先ごとに一覧で確認できるようになりました。議事録・対応履歴と同じツールで名刺情報が参照できる体験は、引き継ぎ時の検索性向上にも直結しています。過去の提案履歴を遡って入力した部署も2ヶ所あり、「使い倒してやろう」という現場の姿勢が、日常業務の中に根づいてきています。
議事録や対応履歴と同じ画面で名刺情報が見えるようになり、現場からはすごく喜ばれました。担当を引き継ぐ時の検索のしやすさも段違いです。
中部電力株式会社
マルチユーティリティ本部
地域プロジェクト推進ユニット 課長
河口 英司 氏

“社外とは思えない距離感”と今後の展望
プロジェクト期間中、バディマーケティングさんとの距離感は、社外パートナーとは思えないほど近いものでした。Teamsチャットへの問い合わせには即時に近いスピードで返答があり、急ぎの相談には「今日お話できます」と当日中に時間を確保してくださる場面もありました。
Zohoはできることがいっぱいありすぎる。その”機能のジャングル”を案内してくれて、やりたいことにピンポイントで提案してくれるのがバディマーケティングさんでした。導入後のテクニカルサポートについても、ローテーションで人が変わる中でシステム活用の安心を買う必要経費だと捉えており、長期で伴走していただく意義を感じています。
今後は、入力UIの改善や、顧客担当者の変更や取引商材を起点としたユニット間の連携提案など、活用領域の拡張も視野に入れています。1.5ヶ月で築いたこの基盤を、これからは当社自身の手で使いこなし、業務の中でさらに育てていきます。
短期導入を成立させる4つの軸〜Zoho CRM 導入設計術〜

目的の絞り込み

Zohoの豊富な機能から自分たちの目的に合うものだけを選び、不要な機能は非表示に設定した。「全部を使いこなそうとせず、実現したいことを決めて絞る」という指針を徹底し、現場が迷わず使えるシンプルな運用環境に整えている。
階層ステージ設計

共通ステージ6つ(管理者視点の大まかなくくり)と、ユニットごとのサブステージ52個(現場視点の個別管理)からなる2層構造を採用。各ユニットの運用意図をバディマーケティングが壁打ち役として整理し、全員が納得できる最大公約数に落とし込むプロセスに時間をかけた。管理者のマネジメントと現場のリアルが、同じCRM上で同居する設計である。
CRM推進担当の設置

各ユニットにCRM推進担当を1名配置し、推進担当専用のチャットグループで情報共有・事例共有を実施。ユニットごとに必要なセクションや項目だけを表示する画面の出し分けも行い、定期的な勉強会と合わせて定着率の向上を図っている。
段階的スコープの設定

初期リリースでは主要取引先向けに割り切って設定を行い、その他の機能は後フェーズに回した。名刺管理との連携についても、標準プラグインによる連絡先取り込みを初期実装としたうえで、取引先への自動紐づけ処理などはリリース後に必要性の調査を別途実施した後に、機能追加している。リリース時点に必要な機能と、次フェーズに回す機能の優先順位づけはバディマーケティングが専門家としてリードし、「期限内に最低限必要なものだけを積む」スコープ運用で約1.5ヶ月の導入を成立させている。
Zoho CRM カスタマイズ詳細
初期リリース時点で設定した、Zoho CRM のカスタマイズ内容例。取引先の属性・担当ユニット・商談ステージの組み合わせに応じて表示項目や選択肢を出し分ける「選択と集中」の設計思想が、具体的な設定として実装されている。

取引先レコードの表示制御
取引先の属性と、関与するユニットの組み合わせに応じて表示項目を自動制御する設計を採用。各ユニットの項目表示を取引先ごとに設定できる仕組みで、担当ユニットに関係する情報だけが画面に表示される。導入時点で 10 パターンの表示ルールを設定しており、自部門に不要な情報が混在しない、シンプルで使いやすい画面設計を実現している。

商談一覧のカスタムビュー
部門ごとに10個以上の専用カスタムビューを設定し、自部門の商談のみが表示される仕組みにしている。カンバン形式でステージごとに商談を一覧表示し、絞り込みフィルターと組み合わせることで、担当案件を素早く把握できる。情報過多による混乱を防ぎ、担当者が必要な商談をすぐに選択できる運用環境を整えた。

商談レコードのサブステージ制御
商談ステージとユニットの組み合わせに応じて、表示されるサブステージの選択肢を動的に切り替える設計を採用。ユニットごとに異なるサブステージが表示される仕組みで、全 52 個のサブステージを 20 個の分岐条件で出し分けている。現場の各ユニットが自部署に最適化された選択肢の中で商談を管理できる。

ユーザー様からZoho CRM活用のアドバイス

Zohoは機能がたくさんあって、全部を使いこなそうとすると迷ってしまいます。大切なのは、自分たちが目指す姿を明確にして、そこに絞り込むこと。我々も多くの機能を非表示にして、シンプルに使うことを徹底しました。
短期導入では、『あれもこれも』ではなく『これだけは譲れない』というラインを明確にする。今回は主要取引先以外のターゲットを初期開発のスコープ外にし、名刺の紐づけも後フェーズに回しました。必要なものだけに絞り込む判断が、約1.5ヶ月の導入を後押ししてくれたと感じています。
新しい取り組みを始めるなら、まずは目的を絞ること。そして信頼できるパートナーと並走すること。この二つが、何より大事だと思います。
(マルチユーティリティ本部 地域プロジェクト推進ユニットの皆様)
バディマーケティング株式会社 担当者コメント
中部電力株式会社 マルチユーティリティ本部様では、本部全体で横串を通すCRM基盤の構築が求められていました。私たちは、全ユニットの業務実態を丁寧にヒアリングしたうえで、情報の蓄積・可視化、共通×個別の2層ステージ設計、現場が使いこなせる画面づくりまで、一貫してご支援いたしました。特に印象的だったのは、約1.5ヶ月という限られた期間のなかでも、ご担当者の皆様が現場の声を反映しながら意思決定を重ねられていた点です。今後も、拡大を続ける貴本部の事業成長に寄り添う伴走者として、引き続きご支援してまいります。

バディマーケティング株式会社は、「Zoho CRM」や「Zoho One」をはじめとするZohoサービス・営業支援ツールの導入から、ツール間の連携設計、活用定着に向けたコンサルティングまでを一貫して支援しています。
新規ツールの導入やシステム連携など、営業DXやデジタルマーケティングの強化に関する課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

